口腔外科
口腔外科(こうくうげか)は、口の中(口腔)、顎(あご)、顔面、およびその隣接組織に発生する疾患を扱う歯科の専門診療科です。親知らずの抜歯やインプラント、口腔がん、顎関節症、外傷、顔の骨折など、機能と審美の回復を主目的として外科的手術を中心に対応します。
具体的には以下の特徴と治療内容が挙げられます。
対象エリア:歯だけでなく、顎、口唇、舌、唾液腺など、首から上の顔面周辺部。
主な治療内容:難抜歯・親知らず: 埋もれた親知らずの抜歯。
顎関節症:あごが鳴る、口が開かないなどの治療。
腫瘍・嚢胞:口腔がんの診断・手術、顎の骨の腫瘍。
外傷:転倒などによる口周りのケガ、顔の骨折。
顎変形症:あごの骨の形を矯正する手術。
炎症:歯が原因の重い腫れ(顎炎)。
有病者歯科:血液をサラサラにする薬や、骨粗鬆症の薬を服用中の患者の抜歯。
一般歯科との違い:虫歯・歯周病の治療だけでなく、手術を伴うより専門的な疾患に対応する。
口腔のトラブルで、特に痛みや腫れが強い、または顔の変形や機能障害がある場合は口腔外科の受診が適しています。
親知らずの抜歯は、**虫歯や歯周病のリスクが高い場合(斜め生え、半分埋まっているなど)**に検討され、生え方で難易度が変わり、費用や時間、痛みも変動します。保険適用で、麻酔・薬代、検査代が別途かかり、処置は5分〜1時間以上と幅があります。抜歯後は3日〜1週間程度で痛みや腫れが引くことが多いですが、個人差があります。
抜歯を検討すべきケース
斜め生えや半分埋まっている(半埋伏):隣の歯との間に隙間ができ、磨きにくく虫歯や歯周病になりやすい。
頻繁に歯ぐきが腫れる:炎症を繰り返す場合。
隣の歯への影響:隣の歯の虫歯や、歯並びへの悪影響がある場合。
抜歯の難易度と費用(保険適用目安)
真っ直ぐ生えている場合:比較的簡単に抜歯可能
斜めや骨に埋まっている場合(水平埋伏など):歯ぐきを切開したり、歯を分割したりする必要があり、費用も高め。
抜歯の難易度と費用(保険適用目安)
真っ直ぐ生えている場合:比較的簡単に抜歯可能
斜めや骨に埋まっている場合(水平埋伏など):歯ぐきを切開したり、歯を分割したりする必要があり、費用も高め。
処置時間
簡単な抜歯:5~30分程度。
複雑な抜歯:歯ぐきの切開や骨を削る場合、1時間以上かかることも。
抜歯後の経過
痛み・腫れ:抜歯後3日~1週間程度で治まることが多い。
安静期間:痛みピークの抜歯後1~3日は安静にする。
抜歯の流れ(一般的な歯科医院の場合)
問診・検査:症状の確認、レントゲン・CT撮影。
診断・治療計画:抜歯の要否、抜歯方法の説明。
抜歯処置:麻酔後、歯の状態に応じて抜歯(簡単な場合は短時間、難しい場合は切開・分割も)。
術後:痛み止め・抗菌薬を処方され、帰宅。
まずは歯科医院で相談し、レントゲンで親知らずの状態を確認してもらうことが重要です。
顎関節症(がくかんせつしょう)は、顎の関節や筋肉(咬筋など)の異常により、「口が開かない(開口障害)」「顎が痛い(関節痛)」「音がする(関節雑音)」といった症状が出る疾患です。原因は単一ではなく、歯ぎしり、ストレス、不良なかみ合わせなど複数の要因が重なって発症する「多因子病因」が主流な考え方です。主に歯科口腔外科で診断・治療され、保存的治療(スプリントなど)で8割が改善します。
1.顎関節症の主な症状(3大症状)
顎関節痛・咀嚼筋痛:口の開閉や食事時に顎の関節や頬、こめかみに痛みや重だるさを感じる。
開口障害:口が指3本分(約40mm)以上開かない、または全く開かなくなる。
関節雑音:口を開け閉めした際に「カクン」「コキッ」「ザリザリ」と音がする。
2.主な原因と誘因(多因子病因)
顎関節や筋肉の負担(耐久力)が限界を超えた時に発症します。
行動・習慣:歯ぎしり、食いしばり、頬杖、携帯電話の長時間の操作、片側だけで噛む癖。
精神的因子:ストレス、不安、緊張の持続。
構造・身体的要因:不良なかみ合わせ、関節円板(クッション)のズレ、顎の筋肉の弱さ。
外傷:転倒や打撲、顎への衝撃。
その他:女性ホルモンとの関連、特に20代前後や40〜50代に多い傾向。
3. 顎関節症のタイプ(病態)
咀嚼筋痛障害:筋肉の痛み。
顎関節痛障害:関節周囲の炎症。
関節円板障害:クッションのズレによる音やひっかかり。
変形性顎関節症:骨が変形している。
4.診断と治療
診断:歯科口腔外科等での問診、開口量測定、レントゲンやMRI検査。
治療(保存的治療が中心):スプリント療法: マウスピースを装着し、筋肉の緊張や関節への負担を軽減。
行動・物理療法:顎の安静、ホットパックによる保温、姿勢の改善。
薬物療法:消炎鎮痛剤で痛みや炎症を抑える。
多くの症状は2週間から3か月ほどの治療やセルフケアで改善しますが、症状がある場合は放置せず、早めに歯科や歯科口腔外科を受診してください。